パラアイスホッケーとは冬季パラリンピック種目の1つであり,下肢障がい者のためのアイスホッケーです.パラアイスホッケーでは,スレッジと呼ばれる専用そりを用いて競技を行います.ルール上,ボディチェック(体当たり)が認められており,非常に激しい競技です.日本人の競技者のほとんどは海外製スレッジを使用していますが,海外の競技者との体格差に起因してスレッジの重量が日本人に適当ではありません.バイオメカニクスの観点からスレッジの重量が軽いほど筋負担が少ない状態で競技を行うことができると考えられます.さらに,より速いスピードを出すことができるため,競技力向上につながると考えられます.一方で,ボディチェックに耐え得る強度を有している必要があります.
そこで,有限要素解析と最適化手法を組み合わせた最適化解析を用いて,日本において強度を高めることに注力して試作されたスレッジの強度を維持しつつの軽量化を行いました.